梓について、過去の話と考えている今後の展開を書いていきます。
基本の情報はキャラクター紹介ページを参照ください。
梓の過去
まずは梓の過去について書いていきます。
梓は生前、父子家庭でした。
とても裕福な暮らしとは言えませんでしたが、優しく働き者の父親に育てられたごく普通の女の子でした。
しかし、梓にはある悩みがありました。
それは自分がいるせいでお父さんは無理をしているのではないか、ということ。
真面目で働き者の父親でしたが、時々無理をしすぎることがありました。
「ごめんな、今日は少し遅くなる」
「今週の休みは仕事なんだ」
そんな何気ない一言に、梓の「自分がいるからだ」という思いは強くなっていきました。
父親にはそんな気持ちは一切ありません。
むしろ、梓がいるから頑張れる、梓が笑ってくれていればそれでいい、と笑う人でした。
しかし、その思いは梓に届きませんでした。
「私がいなければ、お父さんはもっと楽に生きられる」
そんな思い込みだけが、日に日に大きくなっていきました。
そうして、梓は最も取り返しのつかない選択をしてしまいます。
父が大好きだからこそ、死を選ぶ。思春期特有の思想の危うさが招いた悲劇だと思います。
これが愛館市立郷土資料館 植物標本担当である梓の過去です。
これからの展開
ここからは現状考えている梓に関するこれからの展開について書いていきます。
意識の変化
資料館での生活が始まった梓は、初めこそ生前の自分の選択を「これでよかったんだ」と考えていました。
しかし、歴史改変を通して知った親から子への愛や、資料館の同僚である軍曹の父親としての姿、考えを知っていくにつれて自らの選択に疑念が生じ、次第に後悔へと変わっていきました。
「親っていうのは、子供が笑って生きていてくれれば十分なんだ」
軍曹のその言葉を聞くたびに梓は胸が締め付けられるような気持ちになります。
父も、軍曹と同じだったのではないか。
自分は父の想いを踏みにじってしまったのではないか。
その事実を受け入れるのは、梓にとって何よりも辛いことでした。
前提の崩壊
後悔を抱えながら学芸員として働く梓は、ふとした瞬間、ある光景を観測します。
それは病室で眠り続ける自分。
そして、毎日のように見舞いに来る父の姿。
苦しみ続けた期間の長さ、その重さを示すように増えた白髪。
「駅前の桜が今年も咲いていた」だとか「お前の好きな駄菓子に新しい味が出ていた」だとかそういうことを寂しそうに話しかける父の姿を梓は目の当たりにします。
梓自身も、資料館の面々も、梓は他の学芸員と同じように亡くなったものと思っていました。
しかし実際には、梓の体は植物状態のまま現世で生き続けていました。
博物館へ流れ着いたのは、その魂だけだったのです。
自分のせいで父が苦しんでいると知った梓は、
「やめて、どうして待っているの。お父さんをそんな風に苦しめたかった訳じゃない」
と苦しむようになります。
補足的な部分ですが、基本的に学芸員の名前は、誠は丞、美代子は汐音、のように生前と違うものがつけられています。
しかし梓は生前の名前も梓としています。
これはまだ梓が完全に死んでいないことを示すためのものです。
名前というのは魂にとっての命綱のようなものです。
こういった部分でも、梓のハッピーエンドまでの道を示していけたらと思っています。
道標としての軍曹
父親の姿を観測して以降、梓は後悔に苦しみ不安定な時期を過ごします。
そこに、同じく父子家庭の父親側だった軍曹が日向まで連れ出して前を向かせる(比喩)展開を作りたいと考えています。
軍曹は梓の父親ではないけれど、確かに誰かの父親だった軍曹に梓が父の愛情を理解するまでの道標になってほしいです。
軍曹自身もまた、大切な娘を想い続ける父親でした。
強い言葉や演説じみた言葉で諭してほしいわけではなく、「帰れるなら、帰ってやれ」くらいの距離感で導いてほしいです。
この時点だと軍曹は自分の娘が学芸員になっていることを知りません。
だから、もう自分は娘との再会は叶わないと思っている。
なおさら、まだ間に合う梓を絶対に現世に帰すという意識が他の学芸員よりも強いと良いなと思います。
物語の着地点
ここまでの話で梓の物語のハッピーエンドは「父親のもとに帰ること」だと、自然に定まります。
体が生きていると分かっても学芸員の歴史上事例がないため、現世に帰る方法が分からずしばらくは調査に走る。
物語の最後に帰る手立てが見つかり、梓は現世に戻って父と再会する。
これが梓にとって一番幸せな最後だと思います。
資料館の面々も、長い間一緒に過ごしてきた梓がいなくなるのはもちろん寂しいですが迷わず送り出すと思います。
最後に「ありがとう」と言う梓に、「礼なら親父さんに言え」と言う軍曹がいるといいな、と思います。
さいごに
梓は生前、現代に生きていました。
その分他の学芸員たちと比べて身近な存在で、感情移入がしやすい気がしています。
過去は変えられなくても、その先の未来は選び直せる。
梓の物語を通して、そんなことを描いていけたらと思っています。

